【ネタバレあり】舞台「アルキメデスの大戦」 2022.10.04 シアタークリエ (簡単な備忘録)

岡田浩暉さんが出演された、舞台「アルキメデスの大戦」を観覧してきました。
忘れないうちに、感じたことなどを書いておこうと、
舞台に関しては、まだまだ初心者ですが、
ブログ記事にしてみようと思います。
天才数学者と戦艦大和の話、というのは、
映画化された時に漠然とどこかで拝見していて、
面白そうだなぁ、と思ったものの、
その時は、結局映画を拝見することなく、でした。
岡田さんのファン再開歴もようやく1年になろうかというこれまた初心者。
元々、この作品は2020年上演予定だったのが、コロナ禍で延期になり、
やっと上演に漕ぎ着けたそうです。
たくさんの方が待ち望んでいた開幕だったのでしょうね。
会場は、前回ここシアタークリエで拝見した、
これまた岡田さんご出演の「NEXT to NORMAL」の時の、
「どこかに男性はいるのだろうか・・・???」という感じよりは、
舞台の内容からか、若い男性から年配の男性まで、
ちらほらお見かけでき、幅広い客層だったように感じました。
会場到着後、ロッカーに荷物を入れて(これ、すごく助かりました)
プログラムを購入して客席へ。
岡田浩暉さんのファンクラブさま、今回も素晴らしく良い席をいただき、
本当に感謝です。ありがとうございました。
※舞台で会場は暗いので、メモも取れず、
本当に記憶だけからの文章ですので、
間違いなど多々あると思われます。
ご容赦ください。
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この先、開催中のライブに関する記述があります。
知りたくない方はご注意ください
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着席後、お行儀のよい観客の皆様、
お話をされている方はほんのわずか(コロナ対策でお話ししないように呼びかけられてます)で、
その分、微かに聴こえる波のような音に耳を澄ませて、
舞台をほんのり照らす青、白波のようにも見える白い光の動き、
そして左奥に亀のオブジェ(かな?)ようなものが見えたり、
これから始まる物語に胸をワクワクさせるような仕掛けを十分に楽しむことができました。
13:01 開演 (客電落ち)
客電が落ちてすぐに、いきなりどこかの職場のように
テーブルや椅子、5名くらいの演者さんが現れて、
少し驚きました。あれ、どうやってこの配置!??
後ろのスクリーンに1945年4月7日の文字が。
(月日は失念してしまい、後でWikiで調べた日付です、違ってたかも^^;)
電報室(暗号解読室?)なのか、
みなさん耳に何かヘッドフォンのようなものをあてて静かにされてますが、
左端の職員の方が、突然驚きの動作をされ、
戦艦大和が撃沈されたことを、言いにくそうに(当時はそういう時代なんですね)上司に報告、
職場全体が驚きと落胆に包まれます。
上司は、このことを内密にするように緘口令が敷かれます。
(当時の日本人はこのことを知らなかったのですね)
時を遡って1933年に。
海軍の会議で、戦艦「金剛」の後継の戦艦を作るにあたり、
大規模な戦艦を作るべきだと主張する嶋田少将(小須田康人さん)と
その設計者の平山造船中将(岡田浩暉さん)、
これからの時代は航空戦が主流になるので、
空母を作るべきだとする山本少将(神保悟志さん)が
意見を対立させています。
山本五十六さん、歴史の教科書に出ていたような(くらいの認識しかないです^^;)
最高責任者の海軍大臣(奥田達士さん)はすでに大規模戦艦派を支持している様子。
大規模戦艦の模型を見て、「美しい、実に美しい!」と目を輝かせる、
嶋田少将や海軍大臣に、客席からは笑いも。
あの不気味なまでの演技は、なかなか見応えがありました。
それに対抗する山本少将、自分の米国留学経験などからも、
なんとか空母の建設に持ち込みたい様子ですが、
大臣がすでに大規模戦艦支持に傾いているようで、なかなか分が悪そう。
会議後、料亭(?)の場面に。
そこで居合わせた、櫂(鈴木拡樹さん)と出逢います。
少将と出会えるなど珍しいので、制服の採寸をさせてほしいと、
メジャーを取り出す変わり者ぶりに客席もまた笑いが起こりますが、
話の中で、櫂が造船などを手がける尾崎財閥の家庭教師をしていて、
軍事費に国家予算の40%もつぎ込むような国はどうかしている、
などとたてついたことで尾崎家を追い出された天才数学者ということが
紹介されます。
山本少将、その数字や状況把握の的確さに、一目置きます。
※舞台鑑賞時は「甲斐」さんかと思って観劇してましたが、
なるほど、「櫂」さんだったのですね、とパンフレットで確認しました。
物語の内容にぴったりなネーミング(日本の行く末を切り開く、オールのような存在)で、
納得しました。
なんとか大規模戦艦の建設を阻止したい。
そうしなければ、軍人も多くの国民も、
絶対的に資源の乏しい日本でも、
「こんな立派な戦力があるのだからアメリカにも勝てる」
などととんでもない勘違いをして、アメリカに戦争を仕掛けて
日本中が焼け野原になってしまう!
と米国の国力を知っている山本少将は、
大規模潜水艦の見積もり金額がかなり過小なのではないかと疑いを持ち、
それを証明できるのはあの天才数学者櫂しかいない!
と櫂の元を訪ねますが、
櫂はアメリカの大学で数学者として研究につくための渡航準備中。
戦争を食い止めるために、なんとか力を貸してほしいと
山本少将は根気強く説得しますが、
軍人は嫌いだ、渡米は自分の大きなチャンスだ、と聞く耳を持たない櫂。
アメリカに旅立つ決意を変えそうにありません。
・・・しかし、山本少将は、これでおそらく櫂は海軍にやってくるだろうと踏みます。
数学者だから、「美しくない」行いはきっとできないだろう、と。
事実、櫂はアメリカ行きの船に乗ろうとするものの、
祖国が戦争に巻き込まれる、帰る国がなくなると、密かに思いを馳せる
尾崎財閥令嬢の鏡子(福本莉子さん)にも会えなくなる、と
船を下船し、山本少将の元へ向かいます。
海軍では、異例の海軍主計少佐という大抜擢。
これから大規模戦艦の建設費偽装を暴く役職としては、
このくらいでないと、と以前から山本少将のお世話をしていた
田中少尉(宮崎秋人さん)の不満そうな声に説得。
さらには田中少尉を櫂のサポートに付けます。
早速建設費の積算に着手しようとするものの、
大規模戦艦賛成派が、海軍内、そして民間の造船会社にも手を回して、
設計図も、積算に必要な単価表なども何も目ぼしい資料を入手できません。
それでも、なんとか戦艦の設計図を書き上げる櫂少佐。
最後の頼みの綱として、尾崎財閥令嬢の鏡子に相談すると、
今は海軍の仕事をやっていないが、昔尾崎財閥と繋がりがあったが、
軍事費に関して意見をして、尾崎財閥からの仕事を外された
大阪の大里造船という会社を紹介してもらいます。
※このシーン、鏡子と櫂が密会しているのではないという噂を知っていた
田中少尉が、階段の下でその成り行きを転げ落ちそうになりながら盗み見する
演技がコミカルで面白く、「よくそんな体勢を維持できるなぁ」と感心してしまいました。
大規模戦艦推進派の嶋田少将と奥田海軍大臣、設計者の平山造船中将、
山本少将派の動きに、若干気づき始めた様子。
それでも、尾崎財閥のツケで飲んで遊べる、と夜の会へ繰り出します。
そんな二人を苦々しく思っている平山(岡田さん)の
「このクソ野郎が(だったかなんだったか^^;)」という台詞に
あれ、岡田さんはあの二人とは少し違う立場?と思わせる伏線が興味深く。
そして大阪へ向かう列車に飛び乗る櫂少佐と田中少尉。
14:07 第一幕終了
25分休憩

14:32 第二幕
また1945年に。
櫂少佐、田中少尉の元に、平山造船中将がやってきます。
「戦艦大和が沈みましたよ」と田中少尉(だったか)が平山中将に話しかけます。
という意味深なシーンからのスタート。
そして、1933年の話の続きになります。
大阪の大里造船では、社長(岡本篤さん)と社員が暇そうにしてます。
尾崎財閥に軍の仕事を干されたのが原因か、
社員はまた昔のように軍の仕事を請け負って稼げばいいのに、と社長に投げかけますが、
社長は「軍の仕事などもう絶対に受けない」と頑なです。
そこに櫂少佐と田中少尉がやってきます。
軍関係者ということで、社員は面会の取次を阻止しようとしますが、
社長は直接出向き、2人を招き入れます。
なんと、櫂少佐と田中少尉が訪問する前に、少しでも力になりたいと、
尾崎財閥令嬢の鏡子が先行して訪問して、社長を説得していたのでした。
そして、なんとか建設費の積算に必要な資料を集めて、
着手しようとした時に、東京に経緯を連絡した田中少尉が青ざめた顔でやってきて、
大規模戦艦の建設か、空母建設かを決定する会議が、
1週間後の予定が、なんと大幅に前倒しになり、
明後日(だったかな???)に開催になったと。
櫂の計算でも、この積算は最低1週間はかかる、
なんとかできないのか・・・となったときに、
櫂は、大里造船が過去に手がけた軍艦などの建設費から、
鉄の総使用量から導き出せる方程式を考えだします。
そんなことが本当に可能なのかと、一同疑いながらも、
差し迫った会議に間に合わせるため、鏡子、社員、田中少尉と一丸となって、
鉄の総量の積算に。
夜行列車の中でも必死に積算を続けますが、
決定会議出席にはなんとか間に合ったものの、
まだ田中少尉は必死に計算を続けています。
もうタイムリミットでそこまでか、というときに、
櫂少佐は、自分が見出した鉄の総使用量から建設費を積算する方程式で、
過去に建設した戦艦などの建設費をものの見事に言い当てて、
海軍大臣、嶋田少将、平山中将など大規模戦艦推進派を驚かせます。
そして、なんとか田中少尉の計算も終了、
実際にかかる費用は、見積もりの倍の値段だと正確に言い当てます。
※なるほど、映画の宣伝でも見かけたあの計算のシーンはこの部分だったのですね。
・・・しかし、実は、それは敵国などに、
それほどの規模の戦艦の建設をしていると気づかせないための
カムフラージュだと言い張る海軍大臣と嶋田少将。
せっかく苦労して行った積算も、この言葉にかき消されてしまいます。
そんな中、櫂少佐は、平山中将に自分が書いた大規模戦艦の図面を見せます。
その緻密さに、最初は自分の図面を盗んだのだと疑う平山中将。
しかし、櫂はさらに、平山中将の図面には、台風などの高波対策が不足していて、
自分の図面ではそれをクリアしていると指摘し、確かにその通りだと、
平山中将を驚かせます。
平山中将、櫂少佐に意味深な発言をされて、この場面は終了します。
(すごく意味深ないい台詞だったのに、思い出せなくて悔しい!!!)
その後。
櫂少佐はすでに大規模潜水艦の建設費の積算、という役目を終えたものの、
自分にも海軍に残る責任があると海軍に残ります。
そして数年後、1941年。
「戦争を止めるため」と言っていた山本少将は、
奇襲作戦ならアメリカ戦にも勝ち目がある、と
真珠湾攻撃などの暴挙に出てしまいます。
自分達はいいように使われた、とやるせない櫂少佐と田中少尉。
1943年。
呉で10年以上ぶりに再開する山本少将と櫂少佐。
櫂少佐に謝罪する山本少将、自分が戦艦大和に乗り込んで、
遠くない未来に戦死するのを見据えているような発言に、
櫂少佐もそれ以上の言葉をかけておられなかったようです。
(詳しくセリフを覚えてないのです。いいシーンだったのに!)
そして、1945年。
第二幕最初のシーンに戻ります。
櫂少佐と田中少尉の元を訪れた平山中将。
もう自分はこの苦しさに耐えられない、と
ピストルを取り出し、櫂少佐と田中少尉が必死に止めるのを振り切って、
駆け出していき、遠くで銃声が・・・。
櫂少佐と田中少尉。
自分達は苦しくても生きていくのが義務だ、とお互いに声をかけます。
幕。
カーテンコール2回で終幕(15:53)。
1列目から順番に規制退場でした。

(個人的感想)
「え、これってノンフィクション???」
というのが見終わった最初の感想。
自分が遠い昔に授業で習って、微かに記憶にある「戦艦大和」の印象と
だいぶん違ったように思えたからです。
後で、パンフで確認すると、史実に基づいたフィクションだそうです。
田中少尉の献身的、真摯さの演技がいいなぁ(ほとんど彼がW主役って感じでは?)と印象に残りました。
(宮崎秋人さん、
プロフで、自分が見ていたドラマ「最愛」や「初恋の悪魔」にもご出演だったとか。え?どこで??)
山本少将(神保悟志さん)は、戦争を止めるために、と言いながらも、
実際に武器(空母)を持ってしまうと、使いたくなる軍人的な願望を
止められなかったんだなぁ、と。
平山中将(岡田浩暉さん)は、造船設計者として情勢を若干俯瞰した見方をしつつも、
時代や日本の中の流れに逆らうことはできず、それはそれで苦悩していたのだと。
これまた、難しい役柄を岡田さんならではの演技で熱演されていたと感じました。
ウクライナ情勢などを見ていると、
この先、日本で平和が続くのかは大きく疑問符がつき始めている、と感じるのは、
自分だけではなく、多くの日本人が感じ始めているところでしょう。
侵略戦争と自衛戦争では立場が違う、というのもありますが、
(どちらも一緒だ、と言うご意見もあるでしょうが、
ウクライナ情勢を見たときに、
ロシアとウクライナは決して同じ立ち位置ではないと思います。)
戦争はやってはいけない、なんとしても阻止しないといけない、
と言うのは簡単ですが、そのために自分が何ができるのか、
何をすべきなのかの答えは本当にわからないなぁ、と。
何の力ももたない自分一人のできることなど考えても、無力さを思い知るばかりです。
そんなことが頭の中をぐるぐる回って、
カーテンコールで自分の目の前2mくらいの距離に岡田さんが立たれていたのですが、
直視も手を振ったりもできずに・・・^^;
うまく言えませんが、この舞台はそんなことを考える更なるきっかけになった、
観てよかったと思える作品でした。
(肝心のいいセリフを思い出せないもどかしさ・・・)
映画も是非近々観てみます!
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